今回、農業改良普及センターの協力を得て黄色高圧ナトリウムランプ(以下電灯)を使った防虫の実験をしました。 実験は防虫、防風ネットの張っていない約35aの梨園で行いました。梨園の中央、高さ3、5mの位置に電灯を取り付けました。電灯は四方の角を照らすようにしました。2005年6月17日から点灯しました。点灯は毎日、夕暮れから夜明け(PM6:00〜AM5:00)までです。中央に取り付けたのは配線が1本で済み工事の費用が抑えられるためです。しかし点灯してみると中央がより明るく角はより暗くなってしまいました。今になって思うのですが、四方の角から中央に向けて照らした方が梨園全体を均一に明るく出来たと思います。 また、3,5mの位置に取り付けましたが、徒長枝の陰になってしまって光が角まで届きにくかったように思います。次回は四方から高さをあと1〜2m高い位置に取り付けてみます。そして、電灯の数なども含めて効率よく照らせる方法を研究していきたいと思います。 さて今年、梨を収穫してみると全体でいつもの年より虫に喰われていないきれいな果実が多くありました。明るかった中央には、虫に喰われた果実はほとんどありませんでした。暗かった四方の角は、いつもと同じくらいでした。また、電灯の漏れ光による果実、梨の木、翌年の花芽への影響は今のところ無かったように思います。電灯の効果を体験することが出来ました。今まで虫に喰われた果実を捨てるため、毎日取りに回っていました。今回は取りに回る作業が少なくて済みました。また、捨てる果実が少なくて済み、増収となりました。
私たちは農薬を減らしていきたい。自然に近い状態で栽培したいという思いで梨を作ってきました。今まで、果実を虫に喰われるのはある程度、仕方無いことでした。しかし今回この電灯を取り付けることによって100%ではないにしても防げることが出来ました。いい結果が出てよかったです。電灯が農薬を減らす一つの方法になりました。これからもいろいろと研究してより安全でおいしい、いい梨がお客様にお届け出来るように努力していきます。
最後にこの実験の中心となってお世話してくださった農業改良普及センターの浦部さんに感謝いたします。 ○実験場所・東近江市石谷町1278-2 よこせ梨園 西の畑 約35a ○実験器具 イワサキ黄色高圧ナトリウムランプ 200V270W ・1ヶ約5万円×4ヶ 約20万円 ・工事費 約10万円 ・電気代1ヶ月 約7、500円 ○点灯期間 2005年6月17日〜9月30日 ・梨園の中央・高さ3,5mに取り付け四方の角に向けて照らしました。 実験結果のグラフは別紙のとおり (次回HPでお知らせします) 2005年12月 横畝浩光
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